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【チャイロスズメバチは巣を乗っ取る!】
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チャイロスズメバチ
(Vespa dybowskii Andre)
チャイロスズメバチは、 キイロスズメバチまたは モンスズメバチに寄生するという、かなり変わった生活史を持っています。
越冬したモンスズメバチ(あるいはキイロスズメバチ)の女王蜂が巣作りを開始すると、後からチャイロスズメバチの女王蜂が作りかけの巣に入ります。
そして巣を作っていたモンスズメバチ(あるいはキイロスズメバチ)の女王蜂を殺し、巣を乗っ取ります。
その後、羽化したモンスズメバチ(あるいはキイロスズメバチ)を自分が育てた働き蜂のように従え、卵を産み、巣を拡張します。
こんな経緯から、のちにはモンスズメバチ (あるいはキイロスズメバチ)の働き蜂とチャイロスズメバチの働き蜂が混じったなんとも妙な巣になります。
この現象をチャイロスズメバチの『社会寄生』と呼び、何もないところからから巣作りをせずにすむという戦略を持っているのです。
もちろん、もともと巣にいた女王蜂を殺さなければならないという危険はありますが、それ以上に0(ゼロ)から巣作りをしなくてよい、
という利点が大きかったと考えられます。
このチャイロスズメバチの女王蜂は30mm、働き蜂は17〜24mmほどの大きさです。色は赤茶色をしており、あまりパッとしないスズメバチです。
腹部が真っ黒な外見から、その他のスズメバチと区別が付きやすいです。
様々な地域で見つかってはいますが、社会寄生という特殊な生活史により、数は少ないようです。
チャイロスズメバチの女王蜂は他の女王蜂と比べ、冬越しから目覚めるのは遅く、5〜7月頃です。
これは他の女王蜂が巣づくりをはじめてから行動するからです。
その後働き蜂を育て、9〜10月には女王蜂や雄蜂が羽化してきます。
チャイロスズメバチの巣はモンスズメバチの巣と似ており、屋根裏、木の中、壁の中など隠れた空間に巣を作ります。
そして、コオロギやバッタなどを餌として巣に持ち帰ります。
チャイロスズメバチの攻撃性は高く、巣に近づくと威嚇の行動とり、群れをなして、地表の付近を左・右に動きながら威嚇します。
一度巣を刺激してしまうと、遠くまで追いかけてきますので、注意が必要です。
私はチャイロスズメバチに刺された事がありませんが、刺された時の痛みはスズメバチの中でもトップクラスだそうです。
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