ツヤクロスズメバチ
(Vespula schrenckii Radoszkowski)
ツヤクロスズメバチとはどんなハチか?クロスズメバチの仲間である
このスズメバチについて特徴を紹介!
クロスズメバチの特徴としておとなしいというのがありますが、この
ツヤクロスズメバチも例外ではありません。巣に直接刺激をしない限りは
襲って刺したりはしないでしょう。
おとなしいからと言って、無茶をしていたずらに巣にちょっかいを出すのは
非常に危険です。小さくても名前のとおりスズメバチ!刺されると非常に痛みます。
ツヤクロスズメバチの働き蜂は、主として蛾の幼虫を餌として自分の巣に持ち帰り、
妹である幼虫の食べ物にします。これはスズメバチ全般に共通なのですが、生きた
昆虫を狙い、集めます。
◆ 関連リンク
クロスズメバチ属(Vespula)
・クロスズメバチ
(Vespula flaviceps Smith)
・シダクロスズメバチ
(Vespula shidai Ishikawa et al.)
・キオビクロスズメバチ
(Vespula vulgaris L.)
・ツヤクロスズメバチ
(Vespula schrenckii Radoszkowski)
・ヤドリスズメバチ
(Vespula austriaca Panzer)
ホオナガスズメバチ属(Dolichovespula)
・キオビホオナガスズメバチ
Dolichovespula media Retzius)
・ニッポンホオナガスズメバチ
(Dolichovespula saxonica Fabricius)
・シロオビホオナガスズメバチ
(Dolichovespula norvegicoides Sladen)
・ヤドリホオナガスズメバチ
(Dolichovespula adulterina Buysson)
無事越冬を終えた女王蜂は、まずは1匹で巣を作ります。そして、女王蜂が卵を産む
ために作る育房が30~45個ほど作られます。
女王蜂の子供である働き蜂が生まれると、巣の拡張は働き蜂の仕事になり
巣はどんどん大きくなります。
巣の大きさは他のクロスズメバチに比べ小さめで、直径でも15~25cmくらいまでです。
巣盤の数も3段くらい、幼虫が生まれ育つ育房も400~1000個くらいしか作られません。
最盛期を迎えた晩秋では、働き蜂は100~200匹程度まで増えますが、これでも他の
クロスズメバチに比べ、少ないのがわかります。雄蜂や新女王蜂でさえ羽化数が
100~200匹くらいにとどまります。
ツヤクロスズメバチもまた、クロスズメバチ全般に共通してみられるよう、土の中に
巣を作ります。他と比べ深さとしては、浅い位置で営巣するようです。
時には、土のなかではなく屋根裏などにも巣を作ることがあるそうです。
巣の特徴自体ホオナガスズメバチにもよく似ており、
灰色の和紙のような外側の壁を作り、中に巣盤を作ります。
越冬から目覚めた女王蜂が巣づくりを開始するのは6月頃で、まずは単独で巣づくりを
します。7月には働き蜂が羽化してきますが、この後は働き蜂が外の仕事を引き受けます。
雄蜂が8~10月に誕生し、9~10月になると新女王蜂が生まれてきます。
営巣の終りが他のクロスズメバチの仲間よりも1か月ほど早いというのも
このクロスズメバチの大きな特徴です。