スズメバチに関する疑問・質問
スズメバチに刺されると、2度刺されるとアナフィラキシーショックに陥ると聞きますが、
刺された人は全てこのような症状が出て、危険となってしまうのでしょうか?
また、アナフィラキシーショックに陥る確率はどのくらいなのでしょうか?
こんにちは、寺部です。
投稿していただき、ありがとうございます。
確かにスズメバチを含めハチに刺されると本当に痛いですよね。
私も蜂の研究室に入ってからというもの、今に至るまでに
ミツバチ、アシナガバチ、マルハナバチ、スズメバチに
刺されてきました。
刺されるたびに、「またやられた!」と
もう二度と刺されたくないと思っています。
さて、ご質問にありましたアナフィラキシーショックに陥る
確率ですが、これはわかりません。
いままで私の知り合いでアナフィラキシーになった人は
2人ほどいますが、始めは刺されても問題ありませんでした。
2回目ではなく、数回刺されてからこの症状が出ていました。
またこの症状は、マルハナバチで出やすいということも言われています。
蜂のアレルギーに関しては、病院でも検査は可能だったと思いますので、
もしご自分のアレルギーについて気になるようでしたら、
どうぞ調べてみてください。
刺された場所や刺され方によっても被害は異なります。
足や腕などを刺されても、足や腕が腫れるだけで済みますが、
頭をやられてしまうと、私でも頭だけでなく、肩から背中や
腕にかけて腫れてしまう事があります。
つまり、頭をさされてしまうと、刺された時の
体の反応がひどいという事になります。
ですので、腕や足ばかり刺されているようでしたら、アナフィラキシーに
なりずらいかもしれません。
まずは頭をハチから守る事が大事です。
私の場合、スズメバチなどハチと接する機会が多いため
一つあることを心がけています。
それは刺された時、悪く考えないという事です。
刺されてしまい、「どうしよう・・・」、「死んでしまうかも・・・」、
などと考えると、余計に心臓の鼓動が早くなり、体の調子も
どんどん悪い方へいってしまうでしょう。
一方で、刺されてしまっても「自分は大丈夫だ!」、「絶対に死なない!」
と強く思うことで、免疫的にも悪い方へ進みずらくなるように感じます。
この方法、特に医療的にも証明されたものではないので、
絶対ではありませんが、いままで私はこのように強く思うことで、
ハチからの被害は小さく収めてきたと思っています。
実際に、21才の時からスズメバチに刺されていますが、
今に至るまで、何十回と刺されていますが、
アナフィラキシーになっていません。
ハチに刺されないような服装というのも確かに重要です。
特に白は有効です。
しかし、ハチにとって、確かに白は攻撃しずらいターゲットかもしれませんが、
これは100%ではありません。
実際に真っ白な防護服を着ていても、ハチは攻撃してきますし、
特に、ちょっとでも汚れていて茶色っぽくなっていればそこが
ターゲットになります。
服装よりもむしろ、ハチに遭遇しない工夫の方が有効かと思います。
しかし、黒いリュックはちょっとまずいかも知れませんね。
白のほかにも黄色が効果的だという話も聞きますが、
これは本当かどうか私も試した事はありません。
白以外でオススメの色というのは、申し訳ありませんが
正直うまく答える事は出来ません。
しかし逆を言えば、ハチに襲われたときリュックのみが攻撃のターゲットになり、
御自身が刺されずにすむという事もあるかも知れませんので
リュックを含め、全身真っ白よりは、リュックに色があったほうが
刺されずに済むという事も考えられます。
先ほども書きましたが、やはり白い服装を心がけるのも大事ですが、
それ以上にハチに出会わないようにすることが重要だと思います。
例えばこんな例があります。
スズメバチなどハチたちは、その巣の状況次第で攻撃性が変わります。
大学時代のことですが、大学の豚舎の近くにとても大きなオオスズメバチの
巣がありました。この巣は研究室のミツバチの蜂場を何度も襲い、
それだけでなく、蜂場にやってきた学生も追いかけてきました。
ところが、巣から1、2メートルほどまで近づいても全く攻撃してきません。
これは、このオオスズメバチの巣の近くにフェンスを隔てて、
普通の道があったからなんです。
つまり、このオオスズメバチにとって、人が近くを通ることに関して
とても鈍感になっていたんです。
一方で、埼玉の空き地の奥の人が全く近づかないところにあった
オオスズメバチは人など、もの音にとても敏感でした。
10メートルまで近づいただけで、見張りの蜂が飛んできて警戒してきます。
さらに3メートルまで近づけば、もう防護服なしにはいられませんでした。
このオオスズメバチは、人などの接近にまったく慣れていないのでした。
ここからわかることでですが、野山や川を歩く際には、なるべく人が通った事
のないような場所には、なるべく行かないようにしたほうが良いと思います。
人が全く通らないところに出来た蜂は、人間の接近にも異様に反応します。
しかし、毎回人が通るところに出来た蜂は人間の接近に鈍感になります。
蜂に遭遇しない方法としては、なるべく藪の中や人が通らないところは
避けるといった工夫も効果的かと思います。
また、時期をずらすのも効果的かと思います。
特にスズメバチの場合、9月から10月が最も蜂が多くなり、女王蜂が雄蜂が
生まれてくる事もあり、とてもぴりぴりしています。
夏まではそんなに凶暴性がなかった蜂も、この時期には、攻撃性が
増してきますので要注意です。
春から夏までに、普通に山や川に遊びに行き、秋など蜂の攻撃性がます時期には
人が良く行くようなところへ出かけるというように、時期をうまく利用して
出かけるというのもまた良い方法ではないかと思います。
スズメバチなどの蜂は黒いものに反応し、攻撃します。
特に頭は良く狙われます。
先ほども書きましたが、頭は刺されてしまうと、被害が大きくなるだけでなく
痛みもとてもつらくなります。
山などへお出かけの際には、帽子だけは絶対に忘れないよう心がけてください。
私も、草刈りをしていたら、全く気が付かず、コガタスズメバチの巣の付近を
刈っていて、巣を刺激してしまい、襲われたことがあります。
このとき、突然「ぶ〜ん!!」とすごい音がして、とっさに全力で逃げました。
ところがまだ「ぶんぶん!!」いっていたので、帽子を取ったところ、
なんと帽子に針を突き刺していました。
もちろん私は無事です。
このように、帽子をかぶっているだけで、何とか刺されずにすむ場合もあるのです。
また香水も注意が必要ですね。
ハチが付近にいなければ特に問題ないのですが、巣に知らずに近づいてしまった
場合には、何が起こるかわかりません。
実際に蜂の巣がどこにあるのかわかりませんので、どうぞお出かけの際には
香水などの使用は避けてもらった方が良いと思います。
どうぞ参考にしてみてください。
また何かありましたら、どんどん書いてみてください。
私の知る限り、何でもお答えいたします。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
ハチは、基本的には巣にいたずらをしない限りほとんどの場合攻撃はしてきません。
なので、山などへ行っても、単体で飛んでいるスズメバチを見ても怖がる必要は
ないと思います。
ただし、いつ何が起こるかわからないので、髪は隠しておくにこしたことはありません。
黒い部分は間違いなくターゲットにしますので。
補足になりますが、スズメバチが最も危険になる時期は秋ですが、
これは地域によっても若干異なってきます。関東では、9月の中旬から
10月の後半くらいが最も危険になるはずです。
一方で、私の住む会津ではもう少しこの時期が早まります。
大体、9月の上旬には注意が必要になってくるはずです。
これは、東北は寒くなるのが関東よりも早いからだと思います。
だとすると標高の高い山間部では、関東付近でも、このようにスズメバチの
危険性が増す時期が早まる可能性があります。
どうぞお出かけになる場所を選ぶ際にも、注意してください。
また香水は無しです。特にエステル系はスズメバチなどのハチ類から
多くの種類が検出されます。
これはエステルの匂いというものが、結構強力に匂うからだと思います。
エステルは絶対に避けましょう。
実際にある種のハチでは、エステルが敵の接近を伝える警報フェロモンとして
利用されています。
虫除けスプレーですが、ハチに対してどこまで効くのか正直私にも
わかりません。
ただ蜂を含め昆虫達は、においを頼りに行動する生き物です。
なので、ハチに対してはなるべく刺激を与えたくないので、これは避けるべきだと
私は思います。
虫除けスプレー自体にどんな化合物が入っているのかわかりませんので、
どのようなことが起こるのかわからない以上、使わない方が無難ではないかと
考えられます。
最後になりますが、しつこく聞いていただいてかまいません。
いろいろな疑問などを聞かせていただくことで、私自身の勉強にもなりますし、
何よりもスズメバチでお役に立てるのであれば、これほどうれしいことはありません。
何でもかまいませんので、疑問に思った事はどんどん聞いてください。
私もその都度、わかりやすい回答が出来るよう努力いたします。
最近、スズメバチが一匹で垣根に毎日のようにやってきます。
間違いはなくあの怖そうな顔です。
おそらく垣根には葉っぱがたくさんあり餌となる虫がたくさんいると思われます。
私もある時間になるとスズメバチがとやってくるので家の中から
観察をしたりします。
その時間帯は親が洗濯物をほしたり花にみずやりをする時間です。
突然やってきて毎日怖いといっています。
スズメバチがやってくるせいでその時間は何もできないそうです。
他にも餌がある場所はたくさんあるんですが・・・
あえて人間と接触をしそうな場所を選ばなくても・・・
と思う時もあります。
さすがに運悪くスズメバチにふれてしまい刺されてしまうのは大変!
ということで今日殺虫剤をハチにかけたみたいです。
そうしたらすぐに飛んでいったそうです。
あんなに体格のいいスズメバチさんでも殺虫剤には弱いでしょうか。
死んだかどうかはわからないそうですが、
また明日もやってくるんでしょうか?
あと、巣は近くにはないです。
なんか殺してしまうのはかわいそうな気もするんですが
仕方のないことですよね。
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返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
早速ですが、スズメバチ等のハチは殺虫剤に弱く、
密閉空間などで殺虫剤を掛けられたり、
モロ体に薬剤がかかるとほとんどの場合
死んでしまいます。
垣根という比較的広い空間では、死ぬか死なないかは
おそらくかかった薬剤の量で決まると思います。
もし薬剤がほとんどかからず、死んでなければ次の日も
やってくるのではないでしょうか?
巣はないのにスズメバチが毎日顔を出し
困っている方は多数おられます。
餌集め等の行動中のハチはほとんどの場合刺しませんが、
下手に刺激を与え、触れてしまったりして刺される事も
あるはずです。
ちょっとかわいそうかもしれませんが、スズメバチ専用の
トラップを使い、飛んできた蜂を捕らえてしまう方法もあります。
こういった場合、人を優先にするか、スズメバチに気を使うか
なかなか判断は難しいとは思います。
しかしやはり、人が刺され事故になるのは避けたいので、
何とか人とスズメバチが接触をしない道を考えていかなければ
と思います。
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寺部 宏一
玉川大学農学部農学科
昆虫学研究室卒業後、
スズメバチハンターとなる。
詳しいプロフィールはこちら
所在地:三重県津市
携帯:090-8781-8350
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